待ちに待った府民ホール・アルティでの立川談春独演会。
前座は,弟子の立川春太の「牛ほめ」。
メガネをかけ,細身のなかなかの男前だ。
後で談春から,「火事になれば20分で焼けてなくなる」という話を,地震と津波で家を失った人が大勢いるこの状況でするとは・・・と言われていた。
口蹄疫でダメージを受けた宮崎を励ます落語会のときも,あいつは「牛ほめ」をやった・・・
談春独特のジョークだ。
談春の最初の演目は「棒だら」。
初めて聞いた話だった。
談春の演じる酔っ払い,初めて見た気がする。
寅さんが鮫塚という田舎武士に切った啖呵も,気持ちがよかった。
鈴鹿で聞いた「宮戸川」といい,談春の一席目は初体験続きだ。
「棒だら(鱈)」には,酔っ払いとか,野暮天の意味があるのが演題の由来のようだ。
マクラで今回も震災絡みの話をしていた。
堺のときも今回の京都も,地震の不安から解放されてぐっすり眠れると言っていた。
中国や韓国が原発汚染を恐れているこのときに,尖閣,竹島の実効支配を取り戻すための戦術の話,ちょっとドキドキしたが面白かった。
二席目は,二葉亭四迷が「I love you.」をどう訳したか,で始まった。
鈴鹿で聞いた「紺屋高尾」だ。
久蔵の親方,神田お玉が池の紺屋六兵衛は,改めていい親方だと思った。
遣り手のおかみさんも好きだ。久蔵が高尾に会えたのは,おかみさんのおかげだ。
3年で15両をためて高尾に会いに行く,「3年,15両。3年,15両」という久蔵の言葉は,高尾と夫婦約束をした後の「3月15日」と符合していることを知った。
15両ためても高尾には会えないことを知りながら,久蔵は,会えないとわかってしまえば生きる希望をなくすと思い,会えると自分に思い込ませて必死に働いた。
その思いが通じて,周囲の人間が皆,一丸となって不可能を可能にしたのだ。
久蔵が高尾に真実を打ち明ける場面。久蔵(談春)の真剣な眼差しに,会場は静まり返って聞き入った。
2か月前に同じ話を聞いたのだが,全然がっかりしなかった。
この話は,談春の十八番。
中島みゆきなら「時代」や「地上の星」を何度でも聞きたいように,談春の「紺屋高尾」は何度聞いてもいいと思った。
ウィキペディアの「明烏」の項によると,
かつて八代目桂文楽(黒門町の師匠)が得意ネタにし、高座にあがると「待ってました、黒門町!明烏!」の声があちこちからかかるほどであった。
とのことだ。
談春の「紺屋高尾」も,それに匹敵するかも知れない。
終演後,MKタクシーが2台,ホールの広場に停まっていた。
明らかに談春らが乗るタクシーだ。
しばらく待っていると,会場を出てきた談春を,数名の男女が取り巻き,プレゼントを渡した上で,記念撮影をしてもらったり,色紙を書いてもらったりしていた。
自分も次は,何かプレゼントを持って行こうかと思った。
次は,6月と7月の神戸と西宮だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
にほんブログ村>
大エノキがアルティ |
メガネをかけ,細身のなかなかの男前だ。
後で談春から,「火事になれば20分で焼けてなくなる」という話を,地震と津波で家を失った人が大勢いるこの状況でするとは・・・と言われていた。
口蹄疫でダメージを受けた宮崎を励ます落語会のときも,あいつは「牛ほめ」をやった・・・
談春独特のジョークだ。
談春の最初の演目は「棒だら」。
初めて聞いた話だった。
談春の演じる酔っ払い,初めて見た気がする。
寅さんが鮫塚という田舎武士に切った啖呵も,気持ちがよかった。
鈴鹿で聞いた「宮戸川」といい,談春の一席目は初体験続きだ。
「棒だら(鱈)」には,酔っ払いとか,野暮天の意味があるのが演題の由来のようだ。
マクラで今回も震災絡みの話をしていた。
堺のときも今回の京都も,地震の不安から解放されてぐっすり眠れると言っていた。
中国や韓国が原発汚染を恐れているこのときに,尖閣,竹島の実効支配を取り戻すための戦術の話,ちょっとドキドキしたが面白かった。
二席目は,二葉亭四迷が「I love you.」をどう訳したか,で始まった。
鈴鹿で聞いた「紺屋高尾」だ。
久蔵の親方,神田お玉が池の紺屋六兵衛は,改めていい親方だと思った。
遣り手のおかみさんも好きだ。久蔵が高尾に会えたのは,おかみさんのおかげだ。
3年で15両をためて高尾に会いに行く,「3年,15両。3年,15両」という久蔵の言葉は,高尾と夫婦約束をした後の「3月15日」と符合していることを知った。
15両ためても高尾には会えないことを知りながら,久蔵は,会えないとわかってしまえば生きる希望をなくすと思い,会えると自分に思い込ませて必死に働いた。
その思いが通じて,周囲の人間が皆,一丸となって不可能を可能にしたのだ。
久蔵が高尾に真実を打ち明ける場面。久蔵(談春)の真剣な眼差しに,会場は静まり返って聞き入った。
2か月前に同じ話を聞いたのだが,全然がっかりしなかった。
この話は,談春の十八番。
中島みゆきなら「時代」や「地上の星」を何度でも聞きたいように,談春の「紺屋高尾」は何度聞いてもいいと思った。
ウィキペディアの「明烏」の項によると,
かつて八代目桂文楽(黒門町の師匠)が得意ネタにし、高座にあがると「待ってました、黒門町!明烏!」の声があちこちからかかるほどであった。
とのことだ。
談春の「紺屋高尾」も,それに匹敵するかも知れない。
終演後,MKタクシーが2台,ホールの広場に停まっていた。
明らかに談春らが乗るタクシーだ。
しばらく待っていると,会場を出てきた談春を,数名の男女が取り巻き,プレゼントを渡した上で,記念撮影をしてもらったり,色紙を書いてもらったりしていた。
自分も次は,何かプレゼントを持って行こうかと思った。
快く撮影に応じる談春 |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
御苑を通って帰った |
九条池で亀を従えて 物思いにふける水鳥 |
にほんブログ村>
0 件のコメント:
コメントを投稿