2011年1月1日土曜日

「昭和なつかし亭」&志の輔の「ねずみ」

BS2午後の「昭和なつかし亭」。

志ん生、馬生、志ん朝を一挙に聞くことができた。

まず、志ん朝の「元犬(もといぬ)」。

犬が八幡様に願かけをして人間になるという、落語らしいバカバカしい話。
元犬の男の所作が人間離れしているので、主人がモトという名の女中は居ないかと呼ぶのが落ちにつながる。
ちょっと甲高い張りのある声が、やはりいい。

次に、馬生の「そば清(せい)」。

そば喰いの清兵衛。
そばを50枚食べたら十両、という賭けを持ちかけられるが、自信がなく辞退する。
信州への旅の途中、ウワバミが漁師を飲み込むのを目撃する。漁師が入って膨らんだウワバミの腹が、赤い草をなめるとすぐにへこんだ。この赤い草を摘んで帰って賭けを受ける決心をする。
あと2、3枚のところで苦しくなった清兵衛が、外に出て赤い草をなめると・・・

落ちの意味がわからなかったが、ネット検索して納得。
こういうのを考え落ちというのだろうか。
初めて聞いた話だが、落とし話とはよく言ったものだ。

馬生の落語は、何か気品がある。

志ん生の「風呂敷」。
CDで聞いたことがあるが、映像だとより面白い。
体も顔も、ちょっと斜めに構えたような恰好や表情を、見ているだけで楽しい。
酒飲みや、他愛無い夫婦喧嘩をやらせたら、やはり天下一品だ。

親子、兄弟でもずいぶん雰囲気や芸風が違う。
馬生を聞く機会が比較的少なかったが、最近聞いた「鰍沢」といい、改めて見直した。

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BS-TBSの「新春落語研究会」で立川志の輔の「ねずみ」を聞いた。

仙台の零細旅籠「ねずみ屋」が舞台。
ねずみ屋の主人は、「とら屋」という大きな旅籠の主人だったが、後家と番頭に乗っ取られる。
左甚五郎がねずみ屋に泊まり、事情を聞いて、ねずみを彫って置いていく。
動くねずみが評判となり、ねずみ屋は大きくなっていくが、とら屋側も対抗策として虎を彫ってもらうと、ねずみが動かなくなる・・・

左甚五郎は、「竹の水仙」にも登場し、宿代の代わりに竹で水仙を作り、それが殿様の目に止まり、お買い上げとなって、宿が潤う。。

左甚五郎ではないが、「抜け雀」でも、絵師が宿代代わりに衝立に描いた雀が抜け出し、評判となる。似た話だが、それぞれに創作性がある。

ねずみ」は、図書館で借りた入船亭扇橋で聞いたことがあった。
ゲストの林家正蔵も、この話を入船亭扇橋から教わったと言っていた。

志の輔は、健気な子どもを演じさせたら一流だ。
幼いながら客引きをし、親と自分の分の寿司まで甚五郎にねだってしまう無邪気なねずみ屋の子どもといい、「しじみ売り」の小僧といい、しみじみとした気持ちにさせる。

正蔵は、「星野屋」を演じていた。
この話は、文珍で聞いたことがある。
正蔵は、まだまだ修行が必要かな。

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