2011年9月10日土曜日

南光独演会

9日(金)の夜,第23回桂南光独演会(府立文化芸術会館)に出かけた。

最初は桂吉の丞の「軽業」。
喜六と清八が伊勢道中で軽業を見物する話で,初めて聞いた。

次いで,桂米紫の「真田小僧」。
講釈の六文銭の話まではやらず,息子にどうやって銭を取られたのか聞きたがる女房に,どうしても聞きたければ銭を出せ,という形でサゲていた。

南光の登場,「ふたなり」。
演じられることの少ない噺とのこと。
ふたなりとは,医学的には両性具有とか半陰陽のことのようだ。
古典落語のようだが,昔から両性具有というのがあったのか,と思った。

中入後,桂米左の「悋気の独楽」。
御寮さん,女中という女を楽しんで演じていた。

最後は南光の「いたりきたり」。師匠枝雀の作。
枝雀に弟子入りしたときの思い出話から入った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★ラジオ出演を終え,梅田のサテライト・スタジオから出てきた枝雀に「弟子にしてください」と声をかけると,喫茶店で話を聞いてくれた。まだ枝雀の落語を聞いたことがないというと,今度,京都の安井金毘羅宮で米朝一門の落語会があるから来なさいと言われた。場所を尋ねると,テーブルに水をこぼし,その水で,梅田から阪急河原町駅,そこから八坂神社などと地図を書いてくれたが,途中で水が乾き,阪急河原町がどこかわからなくなっていた・・・
★恩師の森本先生宅に下宿していた枝雀に弟子入りすると,もう一部屋借りてくれてそこに住むことになった。枝雀が結婚すると,奥さんのためにもう一部屋借りた・・・
★ミナミで飲んだ枝雀をバイクで送っていたら,免許がなく酒が入っているのにどうしても運転したいと言い出した。赤信号だと注意すると,横を見て「こっちは青や」と言って渡ったところが交番。警察官から「免許は?」と聞かれると,「後ろのヤツが持ってます」,「後ろの人が持っててもダメだ」,「でも,くっついてます」・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いたりきたり」を理解してもらうには,枝雀のSR(ショート落語)を理解してもらう必要があると言って,いくつかのSRが披露された。
★犬が「そこをどいてくれ」と言ったので,びっくりして「お前,人間の言葉話すのか」などと犬と対話をしていると,それを見ていた人が,「さっきから何でワンワン言ってるねん・・・
★定期が落ちていた。でも,どこの駅からどこの駅までのものか,書いてない。定期の有効期限も書いてない。。。じゃぁ,何で定期とわかったんや・・・(これは,和歌山の人の作とのこと)

SRで肩慣らしをした後,いよいよ「いたりきたり」。
男がペットを飼っているというので,友人がどんな動物かと聞くと,薮の穴を出たり入ったりしていた「いたりきたり」と,穴を行ったり来たりしていた「でたりはいったり」・・・という具合の話だが,この2匹が出たり入ったり,行ったり来たりする途中で,動作を止めて考え込む,もう一組の「のらりくらり」と「ねたりおきたり」は棒で押されたり突かれたりしても,されるがまま,それが人間の姿になぞらえられる。
枝雀ならではの深いい~世界だった。
サゲは,もう一匹いるというペットを,友人がもらいたいと言い,男はあげたいと言う,「・・・たり・・・たり」。

南光の声は嗄れて少し聞きにくかったが,何やら,いい話が聞けたと思った。

少し前から梨ノ木神社や常林寺(出町柳)で
萩が咲き出している

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿