2010年9月30日木曜日

唐茄子屋政談

志ん生の「唐茄子(とうなす)屋政談」も好きだ。

吉原での郭遊びを優先し、勘当されることを選んだ大店(おおだな)の若旦那の徳。
「主(ぬし)が勘当されたら面倒みてあげる」という花魁の言葉はセールストークで、結局路頭に迷う。

身投げをしようとしたところを止めてくれたのが叔父さんで、叔父さんの指示で唐茄子(かぼちゃ)売りから出直すことになる。

大量の唐茄子の重みによろけて転んでしまったところにいた職人が理解のある人で、唐茄子をほとんど売りさばくことができた。

残りの2個を、1個の値段(四文)でご新造に売る。
ご新造には幼な児がおり、その子が腹をすかせていた。
聞けば、旅商いに出ている浪人の夫からの仕送りがなく、こことのところ子供にご飯を食べさせていないという。
路頭に迷ったときの空腹が身に染みていた徳は、唐茄子の売上金を全部ご新造に渡して立ち去る。

帰ってから叔父さんに経緯を説明すると、叔父さんが真偽を確かめると言って、ご新造の家に案内させる。そこでは、徳にもらった金を、強欲な大家に滞納家賃として全額持っていかれてしまったことを嘆いたご新造が首をくくる騒動が持ち上がっていた。

結局、ご新造は命をとりとめ、大家は仕打ちがひどすぎると罰せられ、徳にはお上から青ざし五貫文の褒美が下される。

強欲な大家以外は皆、善人で、江戸の善良な庶民の様子が生き生きと演じられている。

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

パリの思い出
ヴァンドーム広場

2010年9月29日水曜日

藁人形

移動の車中で志ん生の「藁人形」を聞いた。

主人公は,千住のいろは長屋「への九番」に住む西念という坊主。
江戸中をもらって歩いて、身寄りのない老後の資金を貯めていた。

千住の宿の「若松」という女郎屋(じょうろや)に、お熊という女郎がいた。
その店のナンバーワン・板頭(いたがしら)。
これが吉原になると、ナンバーワンは「お職(しょく)」と言い、高尾だの薄雲だの源氏名がつくという。

お熊は、神田小川町の糠(ぬか)問屋の娘だったが、今は女郎に身を沈めている。
23歳、いい~~~女だ。

西念は、お熊の「旦那に身請けしてもらった家で一緒に暮らして死に水を取ってあげる」という詐言に騙され、全財産40両を巻き上げられてしまう。

「若松」から叩き出された西念は、お熊を呪って7日7晩、藁人形を鍋で煮る。
普通は藁人形に五寸釘を打ち込むのだが、釘はお熊に効かないのだ・・・

西念という坊主は、「黄金餅」でも金を貯めて使わないまま死んでしまう哀れなキャラクターとして登場する。

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

パリの思い出

ノートルダムの塔より
※パリを見守るシメール(怪獣)
※左手にエッフェル塔
※右手遠方にパレ・ガルニエ,モンマルトルのサクレ・クール寺院

2010年9月28日火曜日

二十四孝

金馬の「二十四孝

八っつぁんが夫婦喧嘩をして,「出て行け~」というが,おかみさんから離縁状を書いとくれと言われ,書けないので大家の隠居に書いてもらいに行く。
おかみさんの肩を持った母親を八が蹴飛ばしたことを聞いた隠居は,二十四孝の話を持ち出して,親孝行の大切さを説く。

まずは王祥(おうしょう)の話。
継母が冬に鯉を食べたいというが,川に氷が張っていてとることができない。それを嘆いて裸になって氷上に腹ばいになると,氷が溶けて池の中から鯉が出てきた(「臥氷求鯉」という言葉になっているようだ)。そんなわけがない,体の熱で氷が溶けたのなら体が水中に沈んで「王祥が先に往生しちまぁ」と八が言うと,親孝行を天の感ずるところだ,と隠居は言う。

次に孟宗(もうそう)の話。
鯉と同じような話で,雪の中から筍が出てきたという話。
八は,「唐(もろこし)のお袋は食い意地が張ってやがる。鯉だの筍だの安いものばかり食いたがる。シビの中トロでも食いてぇと(言えばいいのに)」とまぜっ返す。「シビの中トロ」というのは聞き慣れないので調べたら,大型のマグロのことをシビというようだ。確かに,行きつけの店で「シビ」としてマグロがメニューに載っていた日があった。

郭巨(かっきょ)の話。
貧乏で,老母が孫のことを思って食べ物を孫にやってしまう。「子のかけがえはあっても(またつくることができる)親のかけがえはない」と言って,ある日,山に子を生き埋めに行ったら金の釜(延べ棒)が出たという話。

呉猛(ごもう)の話。
蚊帳が買えないので,裸になって「したみ酒」を体に吹きつけ、「心ある蚊ならば母を食わずに我を食え」と言い,母親が蚊に刺されないようにしたという話。八は,俺ならしたみ酒を2階に吹き付けて蚊が集まったら梯子をはずすと茶化す。「したみ」酒とは、枡などからしたたって溜まった酒、または飲み残しの酒のことをいうようだ。

王ぼ王裒(おうほう)?)の話。
雷嫌いの母の死後、墓参りに行くと天俄かにかき曇って初雷。墓石を抱いて「王ぼ、ここにおわします。ご安心あれ」と言うと、亡母が喜んだか墓石がグラグラ動いたという話。

次々といろいろな話が出てきて,聞き飽きない。

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

パリの思い出
パレ・ガルニエ
(オペラ座)

2010年9月27日月曜日

首ったけ

亀岡までの車中で、志ん生の「首ったけ」を聞いた。

吉原(よしわら)の話。

蛙が連れ立って吉原を見物に行く話が出てくる。
志ん生は、カエルを「カエロ」と言っている。江戸弁ではそう言ったのだろうか。なんか、可愛い。
金馬の「雑俳」でも、「ケエロ」とか「ケエル」という言い方をしている。
昔、「ケロヨン」というカエルのキャラクターがいたなぁ。

本題では、馴染みの花魁「紅梅」が廻し(何人もの客を相手にすること)をしたことで放ったらかしにされた辰(達?)っあんが、啖呵を切って夜中に店を出ていき、向かいの店の花魁「若柳」の客になる。

ある日、吉原で火事が起こり、駆けつけた辰っあんがドブに逃げ込み溺れそうになっている女を助けようとすると、それは紅梅だった。
「何だ、お前は紅梅じゃねぇか」と言う辰っあんに、紅梅が嘆願の思いを込めて言う言葉が、「私は(あなたに)首ったけ」。

落げ(さげ)の意味がもうひとつわからなかったが、帰ってから「首ったけ」の語源を調べたら納得がいった。

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

パリの思い出
コンコルド広場
奥に小さく凱旋門が見える

2010年9月26日日曜日

東山三条界隈

日曜だが仕事の用件があり,東山三条付近まで歩いていった。
歩いてみると,知らなかったものの発見がある。

大将軍(たいしょうぐん)神社
桓武天皇が平安京を造営した際,大内裏鎮護のため四方四隅に祀った大将軍神社のうち,東南隅のものとのこと。
樹齢800年と伝えられる銀杏の大樹があるらしい(説明板を帰ってから写真で読んだので見逃した)。



(大将軍神社の解説)http://www.genbu.net/zatu/zatu001.htm


大将軍神社から南に歩くと,公園に「総寺(通称)の跡」という碑があった。ググってみたが,どういう寺なのかわからなかった。

面白い家を見つけた。


坂本龍馬 お龍 「結構式場」跡 というものを見つけた。

青蓮院の塔頭金蔵寺跡で,元治元年(1864)8月初旬,その本堂で龍馬とお龍(鞆)が内祝言を挙げたとのことで,明治33年に聴きとられたお龍の回想によるという。
一般には,慶応2年(1866)1月の伏見寺田屋遭難の後,西郷隆盛(あるいは中岡慎太郎など)の媒酌で夫婦の契りを結んだといわれるが,この話は根拠が薄い,と歴史地理史学者中村武生氏記名の碑にある。
NHKの龍馬伝ではどのように描かれているか,見ていないので知らない。

にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 京都(市)情報へ
にほんブログ村

パリの思い出
バスの車窓から見たパリ市庁舎

2010年9月25日土曜日

居酒屋と煮売屋

先日,枝雀の「煮売屋」という話を聞いた。もちろん、CDで。

金馬の「居酒屋」と同じ話が出てくる。

客が品書きの冒頭の「口上」を注文する。
次いで,末尾の「元方現金につき,貸し売りお断り」を注文。
金馬では「元方(もとかた)」の部分が,もうひとつ聞き取れなかったが,枝雀で理解できた。

「とせうけ」の件りも同じだ。
「け」ではなく「汁」。
濁りがついているから「どぜう」。
いろはの「い」の字や「ろ」の字に濁りをつけてみろ・・・

煮売屋のおやじと居酒屋の小僧という設定の違いはあるが、違うようで同じ話が,大阪と東京に残っているのが面白い。

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

パリの思い出
ムール貝レストランで
ビールの奥がムール貝

2010年9月24日金曜日

パリから日常に戻り・・・志の輔

立川志の輔もおもしろい。

ハンドタオル
一番近い存在の夫婦が、実は一番わかり合えないという話。
3,000円の買物をするともらえる景品のハンドタオルを手に入れるために、ダイエット中にもかかわらず550円分のシュークリームを買って3、000円の買物にする妻。
高価な釣竿や何やらを買う言い訳として、旅行に行ったと思えばいい、車を買ったと思えばいいという夫。
互いに,相手の考え方が理解できない。
どっちもどっちだが、やはり男だからか、夫の言い分にシンパシーを感じてしまう。

緑の窓口
無理難題を言う客が次々と登場するJRの緑の窓口。
ストレス解消のために友達を誘って居酒屋へ。
今度は客の立場で、品切れのワカサギのてんぷらを出せと無理を言う。
客商売は大変だ。

しじみ売り
鼠小僧次郎吉がかっこいい。
しじみ売りの小僧も健気だ。
鼠小僧の子分も、小僧にあしらわれながら、いい味を出している。

八五郎出世
大工の八五郎が、お屋敷奉公に出た妹のお鶴がお世取りを産んだことにより、招かれて殿様の屋敷を訪れる話。
「八五郎、其の方、ささは食べるか。」
「貧乏はしてますが、笹は・・・」
志ん生などがやっている妾馬(めかうま)と同じ話。

新作も古典も、うまい。
関西では生ではなかなか聞けないが、一度聞いてみたい。

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へ
にほんブログ村

パリの思い出
パリの四条大宮のムール貝レストラン
LA  BRASSERIE  BELGE

2010年9月23日木曜日

京都に帰り着く

9月19日ヴェルサイユ宮殿
CDG空港を飛び立ったのはパリ時間9月22日(水)16時ころ。
カイロ乗り継ぎで関空に着陸したのは日本時間9月23日(木)17時20分(パリ時間10時20分)。帰りは約18時間の旅だった。
MKシャトルで自宅まで。
20時過ぎに帰宅。
京都もすっかり涼しくなり、クーラーはもういらないようだ。

今回の旅は天気に恵まれた。
9月22日朝
サクレ・クール聖堂裏手
雨天のパリも体験したかった、というのは贅沢だろう。
空気が乾燥していて、耳がカサカサになった。

我々が発った翌日にストライキが行われたとのこと。
ストに遭わずにラッキーだった。

日常業務に戻れるか、少し不安だ。


にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

パリを発つ

11時のチェックアウト前に、もう一度、長女とサクレ・クール寺院に行った。









チェックアウト後、メトロ→RERでCDG空港へ。

離陸後4時間ほどで、カイロ。

カイロの乗り継ぎ時間での投稿。
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

2010年9月22日水曜日

再びヴェルサイユ

9月21日(火)・・・最終日


K子ちゃんとランチの約束で、11:30にシテ島に架かるシャンジュ橋(Pont de Change)北詰めで待ち合せ。
シャンジュ橋からコンシェルジェリーを望む
エッフェル塔も見える
目的の店は、ポン・ヌフとの間にある L'auberge cafe
「地球の歩き方」(2010~2011)261頁にも掲載されている。
ランチは前菜+メイン、またはメイン+デザートで13.50E。


前菜の魚のスープがおいしかった。






行きたいと思っていたところはほぼ回ったので、CJに会いに再びヴェルサイユのK子ちゃん宅にお邪魔することにする。
サン・ルイ島に足を伸ばしてからRERでヴェルサイユへ。
CとJの学校・幼稚園が終わる16時ころに着いて、二人のお迎えをした。
女性陣(子供たちを含む)がスーパーに買い物に行っている間、また3時間位ソファで寝入ってしまった。
ご主人のRさんも帰宅し、妻の料理で夕餉を囲む。










お姉さんらしくなったC

おしゃまなJ










名残惜しいお別れだが、来年夏にはK子ちゃんたちが来日するとのこと。
夜遅くになってしまい、またRさんに車でホテルまで送ってもらった。
途中、深夜0:00ちょうどのエッフェル塔の点滅を見ることができた。

K子ちゃん、Rさん、素敵な旅の時間を提供してくれてありがとう。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

2010年9月21日火曜日

マレ地区を歩く

9月20日(月)
スタートは、クリニャンクールの蚤の市から。
閉まっている店が多く、ぶらっと回っただけで、メトロでバスティーユへ。
バスティーユ広場
とびきりの晴天
マレ地区を散策中、妻がトイレに行きたいというので、ヴォージュ広場のカフェでランチ。
Cafe HUGO











フラン・ブルジョア通りなどの店をのぞく。
パリ市資料館(ラモワニョン館)の庭
次いでフォーロム・デ・アールでショッピング。
ショッピングセンター
「フォーロム・デ・アール」
妻がもう一度、ギャラリー・ラファイエットに行きたいというので、メトロで向かう。しばしの買い物後、今日の夕食は、K子ちゃんに教わった「シャンティエ」へ。

オペラからメトロで2つ目の グラン ブルヴァール駅近く。我々はすんなり入れたが、店を出たときには数十人の行列だった。
明日がパリの最終日。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

2010年9月20日月曜日

ヴェルサイユでゆっくりと

5日目9月19日(日)は、ヴェルサイユに住むK子ちゃん宅を訪問する。

その前に次女が行きたがっていたギュスターヴ・モロー美術館へ、
住宅街にひっそりとたたずんでおり、最初は気づかずに通り過ぎてしまった。
1時間もあればゆっくりと堪能できる規模だが、モローの世界に浸るには十分だ。

長女            次女
メトロ、RERを乗り継いでヴェルサイユへ。
迎えに来てくれたK子ちゃんと、まずはマルシェに行き、買い物とランチ。
ヴェルサイユのマルシェ

次いでヴェルサイユ宮殿に向かったが、チケット売場が長蛇の列で、見学はあきらめた。

駅の方に戻る途中、ヴェルサイユ宮殿を振り返る














夫のRさんが車で迎えに来てくれて、Rさん・K子ちゃんの自宅へ。
5階の眺めのいい部屋。
Rさん手作りの肉詰め料理をご馳走になった。プロ級の味だった。









人形のようにかわいいC、Jの二人の子供と遊び、夕焼けに見入った後、疲れが出て2時間ほど眠ってしまった。














夜10時、Rさんの車で送ってもらい、10時45分にホテル着。
今日はゆっくりとした時間を過ごせた。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

2010年9月19日日曜日

奇跡のメダル教会

9月18日(土)
カルチェ・ラタンのサン・ジェルマン・デ・プレ教会へ。
小さく目立たないが存在感のある教会である。



付近のマルシェをぶらぶらし、それぞれが買った食べ物を持ってリュクサンブール公園のベンチで食べた。文化遺産の日で、宮殿も公開されているが、K子ちゃんとの待ち合せのため、カルチェ・ラタンのはずれにあるデパート「ル・ボン・マルシェ」へ。

K子ちゃん一家と近くのカフェで昼食。
午後3時までゆっくりと食べて、K子ちゃんの夫のRさんと子供たちとは別れた。
C,Jを連れて帰宅するRさん
女性陣はデパートでショッピングということで、2時間後に待ち合せをし、僕は近くにある奇跡のメダル教会へ行ってみた。
大勢の人が跪(ひざまず)いて敬虔な祈りを捧げていた。牧師への懺悔を待つ列も多くの人が並んでいた。座って疲れを癒すこともできたので、1時間ほど厳かな空気の中で過ごした。
心が洗われるような気持ちになり、訪れてよかったと思った。



その後、レ・アールへ。
パンを買ったり、ジェラートを食べたりしてレ・アールの雰囲気を楽しんだ。
サントゥスタッシュ教会










夕食は、K子ちゃんお勧めのヴェトナム料理店へ。メトロ7号線のトルビアック Tolbiac という郊外の店。女性陣はフォーを、僕はスペアリブが乗ったプレートを食べた。スペアリブがめちゃめちゃうまかった。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

2010年9月18日土曜日

美術館漬けの1日

9月17日(金)
朝一番にオランジュリー美術館へ。
オルセーよりも珠玉の名作がそろっている感じで、規模もちょうどよかった。
マティスが気に入った
バスでオペラに移動し、デパート「ギャラリー・ラファイエットへ。
6階のセルフレストランでランチ。










いよいよルーヴルへ。
金曜は夜10時閉館。閉館間際までいたが、疲れた。
7月28日 - 民衆を導く自由の女神 
ミロのヴィーナス