2010年11月15日月曜日

桂文我の会に行く

桂文我の会。今日で3回目。

① 一席目は桂鯛蔵
都丸改め塩鯛の弟子。師匠の襲名に合わせて,「さん都」から改名。
今日の会のリーフレットに「エキゾチック?」と書かれている。
確かに,日本人らしからぬ顔立ちだ。
演目は「阿弥陀池(あみだがいけ)」。
先日,円楽襲名披露公演で,塩鯛の師匠ざこばが出した噺。
健闘していたが,ざこばのような恍けた味に近づくには,年季が必要だ。

② 二席目,文我の登場。
演目は「ふぐ鍋」。
話は,フグの雑炊を一番おいしく食べる方法を教えましょう,ということから始まった。
答えは,桂宗助に調理してもらうこと。
初めて聞いた文我の会に出演していた宗助は,料理人の出身で,フグ雑炊を作らせたら,卵の溶き方から違う,卵を入れるタイミングを見切るとのこと。
寒くなってきた季節,本題を聞いて,ますます,てっちりとその後の雑炊を食べたくなった。
フグの毒見をまず「おこもさん」にさせた(実は,そっちの方が上手なのだが),という話だが,「おこもさん」という言葉は初めて聞いた。
文我の師匠の故・枝雀が,同じものを食べ続ける人で,やきそばを1か月間食べ続けた,という話も面白かった。

③ 三席目は,桂文三(ぶんざ)。
桂文枝の弟子。
去年,文三を襲名。
90kg位あった体重を67kg位まで落とした,ダイエットに成功したとのこと。
1日1500キロカロリーの食事制限で達成したと。
こちらの話も興味をそそられた。
演目は,「延陽伯」。
言葉使いが公家(武家?)言葉なのが玉に瑕(きず)の女房をもらうことになった男の話。
④の不動坊と同じく湯屋で男が妄想を繰り広げる場面が出てくる。
どこかで聞いた噺だと思いネット検索したら,東京の「たらちね」と共通する話。
文三の落語は,垂れ目の表情が豊かで,かなり面白かった。
文我の会の三席目に出てくる落語家は,宗助三歩文三,いずれも文我を凌ぐ面白さがある。

④ 四席目は,文我のメインの演目「不動坊」。
文三が「延陽伯」をやる際に,師匠の文枝が風呂屋の話をすることになったとき「不動坊はむずかしいから延陽伯をやる」と言っていたというのを受けて,文我が,「では私は不動坊をやります。こんな組み合わせは今日だけだ」と言ってやり出した。
「延陽伯」と同じように,女房(不動坊火焔という講釈師の後家)をもらうことになった男が,風呂屋で妄想を繰り広げ,同じ町内のヤモメ男をバカにする。
風呂屋に居合わせてその話を聞いていた当のヤモメ男が,他のヤモメ男を誘って,不動坊火焔の幽霊を出して新婚夫婦を懲らしめようとする話。
しかし,女房をもらえないヤモメ男たちのすることは,抜けているのだった。
噺の途中で出てきた「仏壇と嫁は持ち急ぎをするな」という話は,教訓深い。

⑤ 仲入り休憩後の最後の五席目は,文我の「淀川」。
志ん生で聞いた「後生鰻」とほぼ同じ話。
上方の「淀川」の方が原型のようだ。
「後生鰻」の赤ん坊が,「淀川」ではおかみさんになっている。
ここは,赤ん坊の方が自然(?)だろう。

午後7時から9時半まで,たっぷりと落語を聞いた。
和室で,足の痛さは限界だったが,落語のネタの豊富さを堪能した。

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