2011年2月19日土曜日

桂塩鯛 襲名披露公演

南座で行われた「四代目 桂塩鯛 襲名披露公演」(夜の部)に行った。

午後4時ころ妻から電話があり,友達が急に行けなくなり,行くならチケットをもらえるとのこと。
急いでチケットをもらいに行き,17時30分の開演に間に合った。

襲名披露公演の千秋楽。妻の友達に感謝。

① まずは,塩鯛の弟子の桂米紫
申し訳ないが,どんなネタだったか,思い出せない。
熱演はしていた。

② 桂雀々 田楽喰い
塩鯛の同期入門(雀々は枝雀門下)。
本題に入る前の,汚い飲み屋(ビールのコップが透き通っていない,猫が鼠を追いかけ回す)に連れて行かれるというざこば話が面白かった。
「ん」の字の数だけ田楽を食える遊びをする,この田楽の話は聞いたことがあるが,誰だったか思い出せない。
雀々は初めて聞いたが,43回の「ん」が出てくる文句を見事に語り,かつ爆笑を誘っていた。
「かぼちゃ」を「ナンキン」と言えば「ん」が付くのに,なかなか「ナンキン」が出て来ず,出てきた言葉が「パンプキン」。話が終わった後,隣の夫婦連れの奥さんの方が,「私,パンプキンか落ちかと思っていたら,先に落ちが出てきて驚いた」と夫に言っていたのが,ほほえましかった。

③ 柳家花緑 「初天神
東京からのゲスト。ご存じ,小さんの孫。
聞いてみたかった噺家なので,ラッキーだった。
うまかったが,爆笑に沸いた雀々の後では,ちょっと地味に感じた。

④ 桂三枝 「誕生日
父親の米寿を祝う子どもたちが集まる。
笑わせながらしんみり聞かせて,最後にドッと笑わせる。
三枝ワールドの真骨頂。
隣の奥さんが「やっぱり,三枝さんはよかった」と夫に言っていた。

(中入)

⑤ 口上
幕が開くと,なんと米朝が並んでいた。
口上回しは,米團治
最初の口上は,塩鯛の師匠ざこば。「日本の話芸」の「肝つぶし」のときと同じ,塩鯛(都丸)入門時の話をしていた。感極まっていて,会場から拍手が送られた。
次いで,米朝。この襲名披露で初めての登場とのこと。一人だけ椅子に座っていたが,米朝がそこに居て話すだけで,感動を覚えた。
その後,出演者全員(+桂米二)の心暖まる口上。全員が笑いを呼ぶ話をするのは,さすがだった。

⑥ 桂南光
「口上が長引いて15分で下りてこいと言われた」とのことで,本題はなかったが,「べかこ」や「南光」の名づけのときの話や,米團治襲名披露で全国を回ったときの話などで,爆笑の渦だった。
米朝の一声で「萬光」に決まりかけたが,当時「生活笑百科」に出演していたNHKからのクレームで南光になったとのこと。
米子空港から羽田経由で富山に行く途中,羽田空港で,3階まで昇るのに近くにエレベーターがなく,螺旋階段を上らないといけない,年老いた米朝には無理だ。そこに見えるエレベーターは荷物専用だと職員に言われたときに,米團治が機転をきかせて「うちの・・・です」と言った。
本当かどうか知らないが,笑った。

⑦ トリの桂塩鯛 「替り目
登場後しばらくは,感激で涙がこみ上げるのを抑えられない様子だった。
話に入ると,体を乗り出す熱演が続いた。
この話は,志ん生でしか聞いたことがなかったが,女房がおでんを買いに出た後,うどん屋がやってきて,題名の「替り目」につながっていく展開であることを初めて知った。
ざこば一門会で塩鯛の「壺算」を聞いたが,そのときも,今日も,話を聞かせた。

京都出身なので,今後も聞ける機会があると思う。

スターがそろった今日の公演を思いがけず聞くことができて,幸せだった。

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