昨夕,
にしんそばで有名な南座横の「総本家にしんそば
松葉」で開かれた
笑福亭鶴二の会に行ってきた。
題して「第5回
にしんそば松葉と笑福亭鶴二の会」。
「松葉」さんでは以前,
笑福亭松葉(死後,七代目松鶴となる)の落語会をやっていて,同師匠亡き後,長らく途絶えていたのを,2年ほど前,鶴二さんで復活させたとのことのようだ。復活当時,京都新聞のニュースにもなっていた。復活第1回のときに参加させてもらって以来の参加。
「松葉」の地下1階全体が会場。
松葉のご主人の挨拶で落語会が始まった。
①
桂寅之輔 「
東の旅の発端」
小拍子と張扇で合いの手を入れながら,大阪から伊勢への道中を語る話。
合いの手の方に気を取られ,筋がわからない。
玉造に二軒茶屋があったなど,ところどころの記憶しか残らなかった。
会場は静かで居眠りをしている客もいたが,悪びれずにがんばる姿は,何やら清々しかった。
後で調べると,
桂春団治一門で
春之輔の弟子。
②
笑福亭鉄瓶 「
阿弥陀池」
鶴瓶の12番目(13人中)の弟子。「鉄瓶」でネット検索すると「南部鉄瓶」などしか出てこないんですと言って笑わせた(後でググッてみたら,ちゃんと笑福亭鉄瓶がトップに出てきた)。
ひとしきり,「東の旅の発端」の話で笑わせてくれた。この話は前座が一番初めに習い高座にかける話だが,みんな一回しかやらない,なぜなら面白くないから,とのこと。
この「発端」が終わるのは伊賀上野辺りで,そこから先に「
煮売屋」とか「
七度狐」の場所があると解説してくれた。「煮売屋」は枝雀のCDで聞いたことがあったので,あぁ,そうだったのかと,前の話がだいぶわかりやすくなった。
鶴瓶の弟子の話は初めて聞いたが,鉄瓶の「阿弥陀池」,面白かった。勢いのある話し方で,話に引き込まれた。
③
笑福亭恭瓶 「
たいこ腹」
この人も鶴瓶の弟子(5番弟子)。
結構な大柄で,高座が高い位置に作られていたので鴨居に頭をぶつけるのではないかと心配した。
太鼓持ちの一八がぴったりはまっている感じで,やはり面白かった。
鶴瓶の弟子たち,他の人も聞いてみたいと思った。
④
笑福亭鶴二 「
親子茶屋」
この話は初めて聞いた。
息子の女道楽をたしなめた大旦那が実は遊び好き,という話。
落ちの意味がわからなかったが,
ウィキペディアを見て,マクラの「飲む,打つ,買う」が前振りだったのだとわかった。
旦那が狐つりをして遊んだ場所は島之内,今のナンバ辺りのようだ。
東京の気障な男がホステスに「今,スイミングスクールに通っている」と言って口説くというマクラの話に,会場の男性から「使える!」という声が上がっていた。
鶴二師匠は2010年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞,落語家生活25周年を迎え,脂が乗ってきている噺家だ。
9月17日(土),国立文楽劇場で噺家生活25周年の独演会をやるとのこと。行ってみたい。
最近,5月11日に繁盛亭で,「芸術祭優秀賞受賞記念落語会~笑福亭で鶴二を祝う会~」が開催されることを知った(
笑福亭三喬も出演する)が,チケット売切れのようで残念だった。
ただし,チケット取得済みの5月3日「
新鋭!上方落語~打ち上げ公演」に鶴二さんが「高津の富」で出演する。この会には
三喬(
近日息子)も出演し,
桂雀々が上記の「
七度狐」をやる。
楽しみだ。
会場は広くないが,会場全体の笑いの小宇宙という感じで,なかなかよい。座敷席と椅子席があり,椅子席(そば屋さんの客席)に座ったが,座布団があり,少し窮屈ではあるものの金曜日のハイアットリージェンシーの席よりずっと快適だった。
落語会終了後,「松葉」のおそばと筍ご飯をいただいた。
ご主人お勧めの鈴廣の板わさも,ビールのお供でいただいた。
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前回好評だったと紹介のあった
百合根団子のあんかけそばをいただいた。
美味だった。 |
お土産に創業百五十年記念の手拭もいただいた。
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創業文久元年
和宮が江戸に下った年 |
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「松葉」に入る前に通った高瀬川(四条小橋の南側)沿いの八重桜が満開だった。