2011年4月12日火曜日

京橋で立川志の輔を聞く

京橋ナイト・ステージ 第4回京橋精選落語会(京橋花月)に出かけた。

お目当ては初めてライブを見る立川志の輔

最初に席亭のような形で文珍の挨拶があった。
選挙で大阪維新の会が躍進した翌日で,「大阪都」構想を話題にし,「大阪と・・・もひとつ何やねん」と言って笑わせてくれた。

① 桂三四郎 「普請ほめ
・・・三枝の弟子。7年目,29歳。カナダから来た弟弟子の桂三輝(サンシャイン)の変な稽古風景の話が面白かった。

② 笑福亭鶴二 「替り目
・・・文珍から「落語家にならなかったら仕事がなかった顔だ」と言われていた。確かにサラリーマンには見えない,愛嬌がある顔だ。
落語を生で聞き始めたときに出会った落語家で,桂文我とともに親しみがある。
志ん生の「替り目」の女房は美人という設定だが,ここでは,酔っ払いの亭主は,「不細工だけど感謝してるんだ」と惚気ている。志ん生の「食べちゃった」は,大阪では「食てもた」だ。
酒のつまみに「柿の種ならある」というのがおかしかった。

③ 立川志の輔 「異議ナシ!
・・・お待ちかねの志の輔。前から4列目の真ん中寄りの席で,高座まで8m位の距離。志の輔の顔が大きく見えた(ばんばひろふみに似ている)。
選挙の翌日らしいマクラで始まった。選挙番組をビールと枝豆で見るのが好きなのに,午後8時過ぎに「石原氏,当選確実」というのは何なんだ,という話。開票率5%でどうして確実と言えるんだと数学者の秋山仁さんに聞くと,「味噌汁の味見をするのに丼一杯飲みますか」と言われ納得したという話に会場大爆笑。
最近シンガポールとベトナムに行ったということで,入国審査官から受けた応対の話も面白かった。
・・・本題は,初めて聞いた話だった。
中板橋ヒルズという総戸数13戸の古いマンションの自治会で,会長以下4人の住民が,エレベーターに取り付ける防犯カメラの導入を議論するという話。
古くて暗いマンションで,「ヒルズ」じゃなくて「○○ズ」だなどのギャグが爆笑を呼ぶ。
24時間監視付きのカメラは1台160万円,監視業務料が月30万円・・・30万円くれるなら私が監視するという会長や,エレベーターに人が乗らないようにすればいいということで変なアイディアを出す住民たち。
理不尽なことを言う客が次々にやってくる「みどりの窓口」と同様,人間というのは何でこんなにおかしいんだろうという気持ちにさせてくれる話だった。
・・・客を引き込む絶妙の間と,CDではわからない顔・表情の作り方に,志の輔落語の神髄を見た思いだった。
京都の独演会が本当に楽しみだ(大阪の富田林の独演会のチケットも買ってしまった)。

④ 桂文華 「八五郎坊主
・・・文珍と同門。ちょっとひねくれたような面白い顔をしている。
八五郎が下寺町のずく念寺の坊主になるという話。和尚から「法春」という名前をつけてもらうが,読み方を忘れてしまい・・・
間抜けな八五郎の愉快な話だった。

⑤ 桂文珍 「愛宕山
・・・上方落語の定番。
愛宕山には一度だけ登ったことがあるが,かなりきつかった。
でも,結構,京都の人は登るようだ。
登ると,達成感がある。
大阪の幇間から見た京都室町の旦那の所為は,大阪人の京都人に対する見方を示しているようだった。

京都に帰り着くのが遅くなったが,とにかく志の輔を聞けて満足だった。

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落語会の前,京橋の立呑み屋で一杯(2杯)ひっかけた。
「まるしん」というお店
ビール大瓶(430円)を頼むと,「大将,初めてだね。初めてのお客さんは湯豆腐サービスになってます」。うれしいネ!刺身の盛り合わせ(580円)も注文。
湯豆腐は食べ進んだ状態。
刺身は,タコ1切れを食べた状態。
マグロ(結構,脂が乗っている),カツオタコイカ,みな美味しかった。
湯豆腐も,おぼろコンブとの相性が抜群で美味だ。
出し巻き牛タン焼きと焼酎のお湯割りを追加注文。
タコが入った出し巻きも,ちょっとコリコリした牛タンも旨かった。
タバコはカウンターの下の床に捨てて踏み消すスタイル。
会計は1,820円のところ,1,800円にしてくれた。おおきに。

京橋は大阪を感じさせてくれる街だ。

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