2011年7月3日日曜日

談春独演会(西宮)

7月2日(土),立川談春独演会に,西宮まで行ってきた。

早めに行って周辺を散策しようと,12時半過ぎ阪急・西宮北口駅着の電車を降りると,なんと談春が同じ電車を降りて少し先を歩いていた。
会場の兵庫県立芸術文化センターまでの通路を,少し後ろから付いていった。スーツケースを転がす弟子と関係者らしき女性二人を従えて,出迎えの女性とともに楽屋入口から入っていった。
偶然とはいえ,付きまといをしてしまった。

西宮北口駅周辺は,西宮球場跡のショッピングセンター・阪急西宮ガーデンズ以外,立ち寄るようなところはなく,開場までの時間,喫茶店で時間をつぶした。
会場の兵庫県立芸術文化センター
午後3時開演。
開口一番は,立川はるかの「饅頭恐い」。
後で談春から,西宮で「饅頭恐い」をやるとはセンスがないというようなことを言われていた。米朝枝雀の名前も出していたから,上方の名人の得意ネタをかけるのは無謀,という意味だろうか。

談春 「へっつい幽霊
ネタに入る前にたっぷりとマクラをやってくれた。
去年は大阪からここまで車で来たが,今日は電車で来たという話をしていた(自分が目撃したから間違いない)。関西の電車は冷房が効いている,久しぶりに寒い電車に乗った,関西で電車の冷房が効いていなかったら,関西人は,その分電車賃を安くしろときっと言うと誰かから教えられたとのこと。
関西はニュースも面白いと言って,この日の朝一番のテレビで,堺市の母親が子供の顔を掃除機で吸って虐待をしたとして逮捕されたというのがトップニュースだったという話をしていた。
前に来たとき,「たけふく」のカツ丼を食べに行ったという話をしていた。検索してみると,阪急西宮ガーデンズの少し東にある。今度こちらに来る機会(来年の独演会)があったら,ぜひ行ってみたい。
「へっつい幽霊」,筋立てはざこばで聞いたのとほとんど同じだった。
威勢のいい江戸弁の熊五郎が幽霊をやり込めるのが,気持ちよかった。

談春 「人情八百屋
三河島の八百屋・平助が妻に,「あの母子はどうなったかなぁ」と話す場面から始まる。
茄子を担いで売りに行ったら,長屋の幼い男の子が生のまま茄子にかじりついた。母親に事情を聞くと,父親が病気で,子に満足な物を食べさせられないという。平助は,自分の弁当と四百文くらいの売上金を押しつけるようにして帰ってきた・・・
唐茄子屋政談」と似た展開だと思いながら,聞き入った。
平助が妻が勧めてくれたとおり有り金全部を持って長屋を再訪すると,父親も母親も自殺したという。幼い姉弟を引き取っている火消しの頭のおかみさんの話では,金の臭いをかぎつけた因業大家が,「子どもにだけは白い飯を食べさせてあげたいから,せめて半分だけでも置いていって下さい」という懇願を無視して全額持っていってしまった,子どもにご飯が食べられるという期待を抱かせたのにそれを実現してやれなかったことを嘆き,父親は舌を噛み切り,母親は首をくくって死んでしまったとのこと。
それを知った頭や長屋の連中は,大家の家を滅茶苦茶に壊したが,お上はどちらが悪いかを承知し,頭らはお咎めなし,大家は世間を騒がせたとして過料に処せられた。
子どもたちと一緒に帰ってきた頭は,自分のせいでこんなことになったと悔いる平助に「他人のために金を置いてくるなぞ,なかなかできることではない」と平助を称え,兄弟の盃を交わす。
頭が「姉か弟か,どちらか一人,引き取ってはくれないか」と言うと,平助は二人とも自分が引き取ることを申し出る・・・
下げは,「しつけ」と「火付け」をかけたもの。
ネットで調べると,「唐茄子屋政談」の筋立てに納得いかなかった師匠談志が「人情八百屋」として演っているということのようだ。
談春が最後に言っていたとおり,トリネタとしては短めだったが,江戸の人情いっぱいの,いい話,いい語りだった。
終演後の貼り紙で「人情八百屋」
という題を知った
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西宮北口には寄りたいと思うような店がなかったので,十三で降りて,ちょっと一杯引っかけて帰った。
350円の卵焼きが美味だった

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