2011年7月28日木曜日

神田紅梅亭寄席物帳

府立図書館で愛川晶の「神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件」を借りて読んでいる。

①「道具屋殺人事件」のほか,②「らくだのサゲ」,③「勘定板の亀吉」という三話仕立て。
①を読み終え,今,②の途中だ。

主人公は,二つ目の寿笑亭福の助(32歳)とその妻・亮子。
最初の師匠・山桜亭馬春が脳血栓で倒れ,療養のため千葉県館山市のマンションに引きこもってしまったため,寿笑亭福遊門下となった。

神田紅梅亭で別の落語家が「道具屋」をやっているとき,短刀を抜こうとする場面で,扇子の中に仕込まれていたナイフが現れ,そのナイフに血糊がついていたから大騒ぎとなる。そのナイフが殺人事件の凶器と断定されて,ナイフを仕込んだ扇子のもともとの持ち主の落語家の容疑が濃厚となる・・・

推理では,後遺症で声がうまく出なくなり,文字盤を使って会話をする馬春師匠が活躍する。
馬春からのヒントで真相を知った福の助は,「黄金餅」で奇抜な演出をして,真犯人をあぶり出す。

いろいろな落語の筋が出てくるのと,噺家やその周囲の人たちの会話で落語家の世界を見ることができるので,ミステリーの展開以上に楽しめる。
古今亭志ん生,鈴々舎馬風,立川談志など,実在の落語家の名前が,登場人物としてではないが出てくるのがリアルさを増している。

愛川晶は,他にも落語ミステリーを書いているようなので,読破していきたい。

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