2011年5月4日水曜日

「新鋭 上方落語会 打ち上げ公演」に行く

5月3日,梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでの「新鋭 上方落語会 打ち上げ公演」に行った。
シアター・ドラマシティがあるビル
出演者と演目は,次のとおり。

最初に注目の三喬の「近日息子」。
この話は初めて聞いた。
頭の悪い息子・作次郎に父親が,先を読んで機転をきかせろと諭す。
父親が腹が痛くなったというと,作次郎,大学病院の先生を呼び,その医者が小首をかしげると葬儀の手配をしてしまう・・・という話。
三喬さんのとぼけた持ち味が話にマッチしていた。

桂文三(ぶんざ)の「堪忍袋」。
この話も初めてだったが,わかりやすくて面白かった。
派手な夫婦喧嘩をみかねた近所の人が,堪忍袋を作ってそれに文句を吹き込めと助言する,この堪忍袋が評判になって,あちこちから使わせてくれという依頼が殺到し,堪忍袋がパンパンになる・・・
独特の甲高い声でテンポよく繰り広げられる夫婦喧嘩は,迫力があるが,愛嬌もある。
マクラのマクドナルドのビッグマックを食べようとして顎がはずれたときの話も,爆笑物だった。

桂雀々の「七度狐」。
この話も初めて。
伊勢参りの旅をする喜六と清八コンビが,狐に化かされる話。
行く手に川が出現したので褌いっちょうになって渡っていたが,麦畑を踏み荒らしているのだった。
尼寺で泊めてもらったが,赤土入りの雑炊を食わされる・・・
雀々は血管が切れるのではと思うような熱演で,後の出番の鶴二から「見台の上が汗だらけ」と言われていた。

笑福亭鶴二の「高津の富」。
これは誰かのCDで2~3回聞いた。
「子(ね)の千三百六十五番」という当たり番号,何度も聞くと覚える。
泥棒が千両箱83個しか持っていかなかったとか,千両箱を漬物石代わりにしたとか,昔昔亭桃太郎の「金満家族」を思い起こすような法螺話。
文三,雀々が派手に演じた後だったので,おとなしく感じた。

中入り後,桂梅團治の「ねずみ」。
岡山を舞台とする「ねずみ」は,桂塩鯛で聞いた。
梅團治は,映像を含め初めて見た。ころころとした体格が落語家らしい。
岡山出身のようで,「動くねずみを見た者はねずみ屋に泊まること」という甚五郎の書きつけを見た農民のやり取りを岡山弁でやっていた。

トリは笑福亭仁智(じんち)。
初めて見た落語家だが,笑いのパワーに圧倒された。
大阪と東京の比較で次々と繰り出される爆笑ネタ。
曽根崎警察署には本当に「タレこみ歓迎」というポスターがあるのだろうか,と考えてしまった。
お楽しみの本題は,エビ軍団とカニ軍団の戎橋での決闘の話。
エビ方の話が中心で,串かつのエビ,風邪ひきの冷凍のエビ,回転寿司の乾燥したエビ,食べにくいから残される幕の内弁当のエビ,えびせんや海老満月(海老煎餅)のエビなどが次々に登場し,爆笑を呼ぶ。
ネット検索したら,「EBI(えび)」という話のようだ。
とにかく面白い。
笑福亭仁智,自分の中で注目度がグーンとアップした。

串かつのエビのところで,梅田の串かつ「松葉」の話が出てきた。調べると,大阪駅地下街にある有名な店のようだ。今度行きたい。

六人の個性的な落語家が30分程度のネタを繰り出す落語会。
これで打ち上げというのは残念という思いで聞き終えた。

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このブログがきっかけで知り合った山陰地方在住のTさんも,この会に来られるということで,お会いした。
落語会終了後,かっぱ横丁の呑み屋で落語談義。
昨日今日の落語ファンの自分とはキャリアが違うが,親しく話をしていただき,有用な情報もいただいた。
落語を通じ,新しい人間関係ができた。

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